研究業績
トライボロジー会議2024 春 東京 (2024)
電気的手法を用いた潤滑状態診断技術について
著者
丸山 泰右,岩瀬 駿介,糸魚川 文広,中野 健,桃園 聡
カテゴリ
学会発表
Abstract
近年,持続可能な開発目標(SDGs, sustainable development goals)を達成するため,様々な機械のしゅう動部に用いられる転がり軸受には更なる低トルク化が求められている.そのため,軸受に用いられる潤滑剤の低粘度化や微量化が避けられない状況になってきており,その結果として弾性流体(EHD, elastohydrodynamic)接触における油膜の破断が懸念されている.従って,軸受の更なる低トルク化だけでなく長寿命化も両立する必要があり,そのためには潤滑状態を詳細にモニタリングできる技術が必要不可欠となる.これまで,筆者らは従来の電気的手法を改良し,光干渉法に匹敵する精度で油膜厚さを測定でき,かつ油膜の破断率も同時に測定できる電気インピーダンス法(EIM, electrical impedance method)を開発した.更に,潤滑剤に印加する交流の周波数を掃引することで潤滑剤の性状などをモニタリングできる電気インピーダンス分光法(EIS, electrical impedance spectroscopy)の開発も行っている.本報告では,これら電気的手法(EIM,およびEIS)の特徴について,簡単に紹介する.